俺は、息を切らしながら説明した。
それを聞いてしゃんと落ち込む彼女。
可哀想だけど……仕方がない。
するとゆいかちゃんは、まどかを見ながら
『お姉ちゃん。私が分かるの?
ちゃんと見えてる?』と一生懸命尋ねてきた。
「う、うん。ちゃんと見えるわよ。ゆいか」
その言葉を聞くとゆいかちゃんは、ポロポロと
涙を流しながら泣き出した。
やっと気持ちが伝わると思い感動していた。
『良かった…お姉ちゃんに……もう一度謝れるから』
「謝る…?何を謝るの?ゆいか」
『だって…お姉ちゃん。受験生なのに
私のせいで迷惑かけちゃって…でも
外に行くの怖くて』
「違うわ。ゆいかは、何も悪くないの。
私の方こそごめんね。ゆいかが、怖がっているのに
気づいてあげられなくて。怖かったよね」
必死に泣きじゃくりながら
真相を説明するゆいかちゃんにまどかまで
泣き出してしまった。
お互いに後悔していたことを謝ることが出来た。
やっと……誤解が解けた。
良かったね、ゆいかちゃん。
しかしそんな感動的なシーンにも終わりが見えてくる。
くっ……そろそろ限界か!?
この能力は、限界があった。
物体の無い魂を見えるまで立体化させる。
お祖母様クラスになると、これぐらいの事は、
出来るようになるのだが俺は、
まだ半人前なため短時間しか出来ない。
この能力は、霊力の消耗が激しいからだ。
「感動的な場面で悪いが…そろそろ成仏させるよ?」
ふらつきそうになるが必死に我慢して
コントロールを集中させる。
もうそろそろ限界だった。
「課長?大丈夫ですか!?」