「まぁ、娘の会社の上司もなさっていたの!?」

まどかのお母さんとお父さんは、
大変驚いていた。
まさか自分の娘の上司になっているとは、
思わなかったようだ。

「はい。詳しく説明すると長くなりますが、
娘のまどかさんは、仕事を熱心に
頑張ってくれていますよ」

「まぁ、本当ですか。
こちらこそ、娘がお世話になりまして
なんてお礼を言ったらいいか。
本当にありがとうございます!」

「いえいえ、頭を上げて下さい。
それより、まどかさんの足りない部分の説明を
補足させて下さい」

頭を下げてお礼を言ってきた両親に
俺は、足りない部分の補足を申し出た。
そして仏壇のある客間に通してもらうと
詳しく話をした。
彼女の両親は、説明を聞いてくれたが
さらに驚いていた。

「まぁ本当にゆいかが、そばに居るのですか?
しかしそうなるとゆいかが成仏していないことに
なるし……信じられん」

「は、はい。ずっと、まどかさんの近くで
あなた達を見守っていましたよ!」

まどかの父親は、半信半疑だったが
ニコッと微笑みながら俺は答えた。
戸惑う気持ちも分かる。

「お父さん……」

「いや、疑うのも無理はありません。
急にそう言われて信じろという方が無理があります。
ですので、俺なりに証明させて頂きたいと思います」

まどかは、止めていたが俺は、クスッと笑う。
そしてするりと袈裟から人がすり抜けられるほどの
長い数珠を取り出した。
これは、お祖母様から頂いた数珠だ。

「課長……もしかして、ゆいかの首もとに数珠を?」

「いや、少し違う。今回は、それより上の能力だ。
ただし霊力の消耗が激しいから簡単には、
使えないのが難点だけど…これから見せるのは、
現実です。そして、これをやって納得されたら
ゆいかちゃんは、成仏させます」