「ねぇ、聞いた?」

仕事が一段落し、燈はお茶を飲もうと給湯室へ向かった。

そこで偶然会った香澄に、燈は話しかけられる。

「最近、ママさんたち会社来てないじゃない?」

「うん。松村さんや竹中さんも今日お休みしてたね」

「そうそう。それさ」

香澄がそこまで言って、声のボリュームを落とす。

「子どもが、消えたんだって」

「え?」

目を丸くする燈に、香澄は真剣な目をして頷く。

「この辺で、次々と子どもたちが消えてるみたいよ。人数的に誘拐、は難しいかな。大きな組織か何かの犯行だったらありえるか」

そう言って、香澄はお茶を飲む。

燈も思い出したかのようにお茶を淹れる。

その様子を見ながら、香澄が言葉を続ける。