「アンコール! アンコール!」



鳴り響く歓声の中、あたしは真っ暗な舞台に立つ。


カッ、と照りつけるスポットライト。

目の前には、いっぱいに広がるキラキラのピンク。

眩しい光に包まれながら、あたしはマイクを口元にそっと近づける。


「ありがとう、みんな。今から歌う曲は、あたしが……人生で初めて作詞に挑戦した曲です」


ウワアァ!

言い終えると同時、そんな複数もの声が耳を温かく包み込んだ。


「サーヤー!」

「サーヤ好きだー!」

「サーヤーーッ!」



……嬉しい、嬉しいよ。


あたしには、こんなにもたくさんの応援してくれるファンがいるんだ。

実感して、目頭が熱くなる。

だけど、今は我慢。

泣いてなんていられない。


大切なファンのみんなへ。

大好きな人たちへ。


ちゃんと、この歌を、届けなきゃならないから。