すっかり日も暮れた、学校終わり。


家に帰ったあたしは、少しおめかししてからもう一つの変装スタイルに着替える。


……もうそろそろ、帰ってるかな。

チラリと時計を確認して、あたしが向かったのは、修平の家。

もちろん、デートのお誘いをするためだ。


その名も、お家デート。


お家に遊びに行くまでは、いつもと変わらないこと。

だけどそこに“デート”の名がつけば……。

ふふっ。

きっと修平だって、ちょっとは意識してくれるはず。


ほんとは、遊園地デートとか、水族館デートとか……いろいろ憧れちゃう気持ちもあるけど。

お家デートだって、充分。

いや、むしろ贅沢すぎる?


だって、考えてみてよ。


密室にふたりきり。

じゃまする者は誰もいない。

愛し合う恋人たちにとって、まさにそこは楽園(エデン)でしかないでしょ!