翌日も、私は学校へ向かった。


1度家に帰ってからの登校のため、時刻は9時を回っている。

それでも来た私を褒めて欲しい。

なんて都合のいいことを思いながら、こっそりと昇降口へと入った。


もう1時間目が始まっている時間。

周りには誰もいない。



なるべく誰にも見つからないように、駆け足で階段を上がろうとしたとき、


「何で、こんな時間に登校してるの?」

山口先生の声。


一瞬振り返れなかった。


でも、

「クラスと、名前」

そう言われれば、振り向くしかない。


「あのー、電車が止まっ」

「止ってないよ」

かぶせるように言われ、黙ってしまった。



「来なさい」

冷たい声で言われ、私は従うしかない。