山口先生はハイテンションで、ご機嫌にお酒を飲み色んな話をした。


学校の先生になりたくて、1浪したけれどやっと今日なれたと教えてくれた。


素敵だなと思った。


こんな風に人生を描けたらどんなにいいだろう。

私の人生はもうボロボロだから。


「君も働いてるの?」

山口先生が私に声をかけた。


「私は大学生。英文科です。通訳になりたいんです」

半分本当で、半分嘘。


何だろうこの気持ち。


ちょっとだけ罪の意識を感じながら、それでも私は山口先生との会話が楽しかった。