「さて、どうやって話を持っていこうかな……」



どうにか「根本会」を乗り越え、軽い二日酔いを抱えながら向かったバイト先での休憩時間。


僕は、スマートフォンの液晶画面を凝視しながら、マコトに「合コン」というイベントをどう切り出すべきか、思案していた。



『昨日は来てくれて、ありがと。

カラオケも面白かったし、楽しかった。
パンケーキもまた行けたら行こうぜ!!』


悩んだ結果、僕は取り敢えず昨日遊んだ感想を切り出しの言葉として選び、マコトにLINEを送った。



その後、昼飯であるコンビニのおにぎりを食べていると、マコトから返信があった。



『アリガト♪
パンケーキは私も前から行きたかったから、タクヤが気に入ってくれて嬉しい☆』



最初にこの返信が来ると、いかにもマコトらしいというべきか。


マコトは自らが貸した「こめ」のCDの事や、僕がカラオケで歌った曲の感想など様々な事を、こちらが読むのが困難と思える程の長文を僕に対して送ってきた。



『あのさ、全部文字で答えてるとバイトの休憩終わっちゃうから、ちょっと電話していい?』


LINEを通じて僕は電話をする旨をお願いすると、マコトから「OK」という返信が、愛嬌溢れるパンダのスタンプで返ってきた。



「もしもし?」


僕は早速やり取りをメッセージから電話へと切り替えると、宣言通りマコトに電話をかける。



「はいはーい」


マコトは、両手を大きく振って歩くような陽気な声色で僕の電話に出た。



屋外なのか。


電話の向こうからは、ビュービューと、風が空間を切り裂く音が聞こえてくる。



「『こめ』のCD、ありがと。

何か、ボーカルが米倉さんじゃないから不思議な感じなんだけど、メロディーは米倉さんっぽいからすげえ楽しんで聴いてる」


取っ掛かりとして、僕は「こめ」のCDの感想を電話で述べると、ゴールである「合コン」へどう話を持っていくか、その工程を脳内で作り上げていく。