翌日は朝からソワソワして、授業中もずっと落ち着かなかった。


堀田さんと中野さんはとても楽しみにしてくれていて、放課後になると部活のミーティングに行く彼女たちと一旦別れ、ひと足先に帰宅した。


昨夜、堀田さんと中野さんが遊びにくることを仕事から帰宅した母に伝えると、母は少しだけ驚いた顔をしたあとで嬉しそうにしてくれた。


今朝は早くに出勤したみたいで両親とは顔を合わせることはなかったけど、ダイニングテーブルの上には母の字で【ケーキでも買いなさい】というメモとお金が置かれていたから、学校帰りに駅前のケーキ屋さんに立ち寄った。


ただ、ふたりの好みがわからない私は、散々悩んだ末に自分ではどれを買えばいいのか決められなくて、見兼ねた店員さんがお勧めしてくれたものを三種類買った。


「ただいまー」


冷蔵庫にケーキを入れてから部屋に行くと、ドアの前でちょこんと座っていたツキが出迎えてくれた。


ツキを抱き上げて、ソワソワしながら部屋の中を見回す。


“今度”という約束がまさか翌日になるとは思ってもみなかったけど、掃除は昨日のうちにしておいたし、飲み物も用意してあるから大丈夫なはず。


落ち着かないまま簡単に昼食を済ませた頃、LINEの通知音が鳴った。