「松浦さんって、たしか下の名前は千帆だよね?」
堀田さんの質問の意図がわからないまま「うん」と頷くと、彼女はすぐにパッとなにかを思い付いたように笑った。
「じゃあ、“ちーちゃん”だ」
「うん、可愛いし親しみやすい」
「え?」
「松浦さん、って余所余所しいもん」
「ほっちゃん、あだ名付けるの好きなんだ。松浦さんはこれから“ちーちゃん”だよ。私たちのことも、ほっちゃんと中ちゃんでいいからね」
瞬きを繰り返す私に、中野さんが微笑みながら言った。
目まぐるしく進んでいく状況にまだ頭も心も追いつかないけど、喜びだけは胸の中いっぱいに広がっていて笑みを零さずにはいられなかった。
「あっ、LINEやってる? 交換しよ」
「ほっちゃん、グループ作ってよ」
「わかってるって。ほら、ちーちゃんもスマホ出して」
「はっ、はいっ……!」
ワタワタとバッグを焦る私を見て、ふたりが楽しそうに笑った。
「あ、ちーちゃんの待受可愛い。その子、ちーちゃん家の子?」
「うん。ツキっていうの」
女の子特有の雰囲気を味わうのは久しぶりで、くすぐったい気持ちになりながらLINEの友達リストに追加されたふたりの名前を見て、また笑みが零れた──。
堀田さんの質問の意図がわからないまま「うん」と頷くと、彼女はすぐにパッとなにかを思い付いたように笑った。
「じゃあ、“ちーちゃん”だ」
「うん、可愛いし親しみやすい」
「え?」
「松浦さん、って余所余所しいもん」
「ほっちゃん、あだ名付けるの好きなんだ。松浦さんはこれから“ちーちゃん”だよ。私たちのことも、ほっちゃんと中ちゃんでいいからね」
瞬きを繰り返す私に、中野さんが微笑みながら言った。
目まぐるしく進んでいく状況にまだ頭も心も追いつかないけど、喜びだけは胸の中いっぱいに広がっていて笑みを零さずにはいられなかった。
「あっ、LINEやってる? 交換しよ」
「ほっちゃん、グループ作ってよ」
「わかってるって。ほら、ちーちゃんもスマホ出して」
「はっ、はいっ……!」
ワタワタとバッグを焦る私を見て、ふたりが楽しそうに笑った。
「あ、ちーちゃんの待受可愛い。その子、ちーちゃん家の子?」
「うん。ツキっていうの」
女の子特有の雰囲気を味わうのは久しぶりで、くすぐったい気持ちになりながらLINEの友達リストに追加されたふたりの名前を見て、また笑みが零れた──。