「私もいいの……?」


「なに言ってるの。いいから誘ってるんだよ」


「うん、私ももっと松浦さんと話してみたい」


「いつもは中ちゃんとやってるんだけど、ふたりとも数学が苦手だから最後まで苦戦しちゃって。だから、松浦さんが教えてくれると嬉しい」


当たり前のように誘ってくれたことが嬉しくて泣きそうになったけど、必死にこらえて精一杯の笑みを浮かべた。


「わ、私なんかでよかったら……」


「わー! ありがとう!」


おずおずと答えると堀田さんが嬉しそうに私の両手を握ってきて、その勢いに圧倒されながらもますます喜びが大きくなる。


「松浦さん、夏休みもよろしくね」


「あっ、こちらこそ」


「ほっちゃん、丸写しはダメだからね」


「しないよ! ちゃんと教えてもらうもん」


笑顔を見せてくれた中野さんが堀田さんをからかい、彼女たちのやり取りを見ていた私は思わずクスクスと笑っていた。


「やっぱり笑うと可愛いー」


「本当に雰囲気が全然違うね」


堀田さんの言葉に中野さんも共感するように頷いたから、慣れない雰囲気にふわふわとした気持ちになって、戸惑いと恥ずかしさでソワソワしてしまう。


そんな私を見ていたふたりは、顔を見合わせてクスリと笑った。