未亜は考えていた。
夢の中でも、朝食を食べている時も、玄関で靴を履いている時も、学校へ向かっている時も。
ずっと考えていた。

「未亜ちゃん?」

「あ、メェちゃん」

「おはよう」

「おはよう」

「どうしたの? 考え込んで」

「ふっ……ちょっと、ね」

「かっこつけるのは構わないけど、何か悩みがあったらいつでも聞くからね」

「さすがメェちゃん、大好き」

「ふふ、私もよ」

席につき、担任の登場を待つ。
だるそうな足取りで登場した担任の健次郎は、だるそうな声で連絡事項を淡々と告げる。
そんな声を聞きながら、やっぱり未亜は考えていた。


士郎の学校へ行かない理由を聞いた。
それはなんだか曖昧なものだったが、楽観的な未亜は、理由はどうあれ、と士郎を学校へ行かせる策をずっと考えている。

しかし何も思いつかない。
今までの人生であまり頭を使って来なかったことを未亜は初めて後悔した。