「リュウヘイ君」

 なんとなく、リュウヘイ君をからかってやりたい気分になった。


「困ったことに、うちのマンションはペット禁止なんだよね」


 思いっきり深刻そうな顔つきをしていうと、リュウヘイ君は「く~ん」と悲しげに鼻を鳴らせた。


「頼むよ、追い出さないでくれ。吠えないし、家から勝手に出ないよ、俺」


「冗談よ」