翌日の放課後、部活の時間を利用して夏音と紘は調査を開始した。

蒼羽がいると進まなくなるだろうということで、蒼羽は家に帰った。
部室にいてもよかったが、夏音がいない部活はつまらないらしい。


「誰も悲しまない方法、思いついたのか?」


部室から職員室に向かう途中、紘が聞いた。
夏音は小さく、首を横に振った。


「思いつかなかったから、蒼羽くんを守ることにした」


それでもその結論に納得していないのか、どこか不服そうに見えた。


「ノンちゃん、紘君?」


その途中、背後から声をかけられた。
振り向くと、英語を担当する島田小豆がいた。

小豆はファイルを二つほど抱えながら、夏音たちに近寄る。


「あずちゃんだ!」
「島田先生な」


小豆と夏音たちは昔近所だったため、仲がいい。
夏音にとって本当の姉のようで、急に先生と呼べと言われても、そんな器用なことは出来なかった。


「二人揃ってどうしたの?」
「あずちゃん、日野先生に聞いてない?」


すると、小豆の表情が固まった。
夏音はそれを見逃さない。


「そのことについて、話を聞きに来たの。あずちゃん、何か知ってることがあるなら、教えて?」


小豆は俯き、夏音の横を通る。


「……場所変えよう」


すれ違いざまにつぶやくと、そのまま職員室に入った。
夏音と紘も、後を追う。